「怒る」のも「叱る」のも間違い

「怒るのではなく叱る」

これは組織マネジメントの世界では有名なことばです。

「アンガーマネジメント」という、日本では数年前に流行ったものから来ているのでしょう。

 

 

おそらく、ほとんどの人は「怒る」は感情的であり、「叱る」は相手のことを思い冷静に注意すること、だと思っているでしょう。

 

辞書によると、

「怒る」は「起こる」と同じ起源の言葉で感情が高まっていく様子を表し、

「叱る」は相手の言動をとがめて強い態度で責めることをいいます。

 

この意味知っていましたか?

実は本来の意味だけ見ると、どっちも「ほぼ同じ」です。

 

少し漢字単体で掘り下げると、

「怒」は感情に力を込めるという意味合いがあり、

「叱」は叱りつけるときの声を表しています。

 

文学的には部首が「心」と「口」なので、「感情中心」と「言葉中心」という解釈になります。

 

今、ビジネスやマネジメントで言われているのはこの意味合いですが、

「感情的にならずに相手のことを考え、冷静に言葉で説く」ということがビジネスの世界の「叱る」とされています。

 

これらの本当に気を付けないといけない点は「人は一生懸命になればなるほど良くも悪くも感情がのってくる」ということでしょう。

 

しかし、冷静に言葉で説こうが、感情的になろうが、「相手のことを考えて伝える」という行為は少し主観的ではないかと思います。

 

つまりは、いくら相手のためを思っていようが、「相手がどう感じるか」で結局は、「叱ろうが、怒ろうが同じではないか」ということです。

 

 

もちろん、マネジメントとして「怒る」は問題外ですが、組織マネジメントをされている方には「叱る」前に必ずやってもらいたいことがあります。

 

 

それは「聞く」です。

 

 

これは私が過去にオートバイ販売店で店長をしていたころの話です。

店長会議か何かで発表した文章がUSBに残っていましたので参考までに↓

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私が、26才で店長を任されたとき、直属の部下はその店の元店長52才、整備工場の工場長も32才で、店舗にいたメンバーは全員年上でした。

 

若くして店長になっているので多少天狗にもなっており、自分自身の営業力にも店舗の分析把握の力も自信があり、年間経常利益が300万円(全国300店中270位くらい)の店のメンバーを完全に見下してました。

 

やることは間違ってなかったので、1年間で1800万円ほどの経常利益がでましたが、その時は明らかに感情で経営をしていたので、退職も多く、数字が上がっても一緒に喜べる仲間もあまりなく、ただ数字と給料があがるだけのつまらない仕事になっていました。

 

自分の目指す数字を考えると、1人では何ともならないことはわかっていたのでそのとき自然と出てきたのが「部下教育」ということでした。

 

そして「怒る」ではなく「叱る」ではなく「まず聞く」ということを実践すると、誰一人として間違ったことをしようと思って間違ったことをしていないこと、今まではそれを聞かずに注意していたことに気づきました。

 

以前は、店舗の数字だけを考えていましたが、実践していくと、コミュニケーションの機会が増え、部下が成長をすることで自分の考える店舗運営を同じレベルで話せる人ができるということも気づきました。

 

結果、2年目で2800万円、3年目で4500万円の純利益を出していくことになったのですが、それ以上に直属の部下がどんどん成長し、彼らの目指すポジションについていくことに「聞く」の効果を感じました。

 

「怒る」ことも「叱る」ことも自分勝手なことと考え、とりあえず「聞く」ことに徹したことでここまで効果が出ると思っていませんでした。

是非、他店の参考にしてただければと思います。

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この経験が、この後の経営を考えるベースの「メンバーの成長が一番」というところに繋がっています。

 

私は当時、「怒る」ではなく「叱る」ということをビジネス書で学んだのですが、結論から言うと、どんな感情であってもやるべきことが正しければ、ある程度の結果は必ず出ます。

 

しかし、自分が楽しめるだけの成長、納得できるまでの結果を積極的に残したいなら、一緒に働く人の成長は欠かせません。

 

それは管理職になれば必ず必要になってきます。

 

相手のことを主体として考えた時、注意の仕方が変わってきます。

そのとき、一般的な人は注意も「怒る」ことではなく「叱る」ようになってくると思います。

 

知っている人はそこで「聞く」に徹してもらいたいと思います。

 

 

最後に、どうしても強く注意してしまう方へのアドバイスです。

 

その場所に相手の親御さんや、自分の家族がいても同じ注意をするか?

 

これを常に頭に置くと必ず自分の行為について違った目線で見れるでしょう。

 

 

「部下教育」という点から今回は「怒るのも叱るのも間違い」ということを書きました。

みなさんのエピソードがあればぜひブログに書いてくださいね。

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