経営とはありとあらゆる選択肢の中から最良のものを選ぶ作業、といったらちょっとまとめすぎでしょうか?
今回は私自身の戒めも含めて、最近直面した経営者の実例について少し書きたいと思います。
知らないということの怖さ
ある紹介された会社での出来事です。
お客さまに出すDM(この場合は封筒に案内分、1枚ものA4のカタログ、申込用紙を入れて注文してもらうタイプのものです)を見せてもらいました。
イメージしていただきたいのは、お中元やお歳暮に届く通販DMみたいなものです。
(この販売方法のアリナシに関してはここではツッコミなしでお願いします。)
それを見せていただいたときにそのカタログが白黒だったので社長に聞きました。
「いつも白黒でされているのですか?」
そうすると社長は、
「今回は経費削減のために白黒にしました」
とのことでした。
もちろん「顧客満足に関わるもの、売上に直接かかわるものの経費は下げない」というのはサービス業の鉄則ですが、私はその紙の厚みが気になりました。
ポスターに使われるような厚みのもの、光沢のある紙です。
すぐ私のなかに、カラーにしても紙を薄くしたら金額は同じなんじゃないかという疑問が出てきましたが、社長は昔から付き合いのある印刷会社に頼んでやってもらっているから紙はタダでやってくれているという話をされました。
2種類600枚ずつ、計1200枚の白黒印刷がいくらだったのか?
安くやってもらったと思っている社長はこのあとショックを受けるのですが、皆さんはいくらだったと思いますか?
14000円です。
これは日本の事情を知らないとわからないかもしれませんが、カラーの案内文600枚、カタログ600枚を一般的な光沢のある紙で印刷した場合、オンラインで注文するとだいたい5000円くらいです。
「たった9000円か」と思うか、「約3倍も違う」と思うか、経営の悪化している社長がどう感じたかは言うまでもありません。
毎日「常識」が変わる時代
印刷9000円、安い話からスタートしましたが、この社長だけが浦島太郎状態だったわけではありません。
色々な常識が日々変わっていきます。
言い換えると「今までの当たり前」が違うということです。
例えば、「飲食店をオープンしたら3年間は赤字を覚悟するもの」
今でもそれを当たり前だと思っている飲食店経営者が多いのですが、私は半年から1年で単月黒字ができないならビジネスモデルの見直し、もしくは撤退が必要だと思っています。
それは5年前と比べても情報の伝達スピードが明らかに速くなっているからです。
つまり口コミというもののスピード感も変わってきており、以前は友人同士会ったときに口コミが広がりましたが、今では、飲食店を例にするとさっき来たお客さまが「美味しい」とSNSで発進したら30分後にその友達が食べにくるというような広がり方をします。
それだけにライトな層が集まりやすくより一層顧客化が大事にはなってきますね。
このように常識というものは日々変わるのです。
時代についていけないなら早い組織化を
私は、このスピード感に個人ではついていけないと思っています。
幅広い年齢層と会うようにして知らないことを聞くようにしていれば良いかもしれませんし、各分野それぞれ専門家に聞くのも良いでしょう。
それを人脈の組織化と言っても良いかと思います。
組織化といえば会社の役割分担や縦割りようですが、それを個人の人脈で作らないといけません。
一生懸命働けば働くほど、職場や自分の業に没頭してしまいますが、経営者でなくても次のステップのための自己学習や人脈作りを心掛けるべきでしょう。
私は今回、白黒印刷の件で数十年会社を経営している経営者でも、第一線で活躍している経営者だとして浦島太郎状態に陥るということにひやっとさせられました。
幸い、私は、このブログを見てくれている方にわからないことを聞ける環境があり、各分野で活躍しているみなさんがいて良かったなと思いました。
たまには皆さんも常識を疑う、もしくは若い層と触れ合う機会を作るのはどうでしょうか?
何か発見があるかもしれませんよ。
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