ヨガに見る差別化戦略

店舗に限らず、経営には差別化が必要です。

 

差別化とは、他社が販売していない商品やサービスを販売したり、同じ商品に対して違うサービスを付けることですが、最近ヨガ教室の経営者から依頼があり、そのときに気づいたことがあります。

 

 

それは

「悪いところがない商品やサービスは差別化が難しい」

という点です。

 

 

商品にはそれぞれ良い点、悪い点があります。

 

日本の餃子を例にすると、「ニンニクが入っていることで口臭が気になる」というデメリットがあるため、「ニンニクなしの餃子」が差別化として成り立ちます。

“悪い点”を改善することで他と違う商品が成り立ちます。

 

英会話であれば、日本人から見たときに「文法が逆」というのが大きな学習におけるデメリットになり、そこで「フレーズ丸暗記」や「徹底的に文法を教える」などといったさまざまなサービスが出てきます。

 

 

それ以外にもデメリットや、そのものの不便を解消することで商品が成り立つというのはビジネスの鉄則です。

 

だからこそ私は、商品やサービスについて考えるときに「そのもののデメリット」についていつも考えるようにしています。

そこから戦略の糸口が見つかることが経験的に多いからですが、やはり何事も困っていること、今後困ることを解決することがビジネスにつながるのでしょう。

 

 

そしてお話をいただいたときに、ヨガについてはどうかを考えましたが、私はヨガを経験したことがないのであまりわからない商品やサービスでした。

 

そこで、ヨガ経験者やヨガ関係者に聞きましたが、ヨガそのものには簡単に出てくる悪いところがありませんでした。

(ある種、この状態は関係者全員が没頭している状態なので危険と言えば危険です。)

 

実は、よく考えたら当たり前なのですが、商業としてスタートしたものじゃなく宗教的な側面からスタートしているため、悪いところがないというのも納得はできなくいないですね。

 

さて、良いことしかないことを前提に話をすすめますが、

 

このような場合は差別化が非常に難しく、ヨガを商品として経営をする場合、顧客はその教室ではなく「講師」によって教室を選ぶ傾向にあります。

その上で、“悪いところがない”ためにビジネスとして参入する企業が多く、どこも似たようなヨガ教室になり、マーケットは広がりながらもシェアと講師を取り合うという流れが出来てしまいます。

 

その後は淘汰されるか、飲食店のようにただ増えて小規模なものが沢山できては潰れるような業界に向かうことになるかもしれません。

 

 

以上が、ヨガというお題に対して感じたこと。

「悪いところがない商品やサービスは差別化ができない」のです。

 

 

では実際にこれをビジネスとして成り立たせるには何をすべきか。

 

 

皆さんならヨガをどうビジネスとして差別化することを考えますか?

ここからは考え方の一例として参考にしてください。

 

 

ヨガ業界について聞いているときに、あるヨガ教室経営者が発した一言に私はピンときました。

 

「ヨガって他のトレーニングと違い、成果や効果がわかりにくい」

 

という一言でした。

 

やっと発見した“悪い部分”にしてはややパンチ力に欠けますが、これを工夫すればビジネスになりそうです。

実際、開脚でペタッとする本が数年前にブームになったように「目に見えて柔らかくなる」という成果はヨガでも取り入れられそうです。

もしかしたらα波を測定する機械などを用い、どれだけリラックスできるようになったのか効果を数値でみせることもできるかもしれません。

目に見える成果や効果は出せそうですね。

 

また、さらに聞いていくと経営者仲間には「ヨガは暇」と言う方もいました。

もちろん内省という時間は大事なのでしょうが、その暇にしないために、ヨガとカウンセリングを合体させることも面白いかもしれません。

もちろん、ヨガ本来からは離れていきますが。

 

 

少し、考えてもらいことは私たちは本当に扱う商品やサービスについて理解があるか、という点です。

 

経営者の中には現場に没頭するあまり、またはその商品が好きすぎるあまり悪いところなんてないと、セルフマインドコントロールの状態になり周りが見れない人が多くいます。

これ以上いいことはない。

こんないいもの他にない。

全員やれば幸せになるのに。

 

これらは私がヨガについてリサーチしたときに出てきた経営者の言葉でした。

 

好きなものでも利益をだすためのビジネスにするには「一般的な社会の消費者の視点」というものを忘れてはいけません。

「成果が出ない」「暇」と考えている人がいてそれならどう解消できるかなどを考えるクセをつけないまま、没頭することのないようにしなくてはいけないと考えます。

 

さて、皆さんは商品とサービスの悪いところを上げ、それを解消する方法をビジネスに取り入れていますか?

 

そして、競合他社はどういう点を取り入れていますか?

 

考えるきっかけにしてください。

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