モノ→コト→その先

モノではなく、コトを売る。これは常識として浸透している考えになっています。

そのもの実体ではなく、それによって得られる価値を売っているとも言われています。

ビジネスでは自社のサービスを語るうえで欠かせない価値観ですが、形のある製品や商品においては特に重要な考えとされています。今回はサービス業、また営業といった目線から「自分たちは何を売っているのか」について確認し、その上でこの考え方の陥りやすい過ちについても解説します。

 

まず、製品というものは3つのレベルから成り立っています。

『中核(核)』…本当に買っているもの

『実体(形態)』…実際に提供されているもの

『付随機能』…完全な価値を提供するために必要なもの

 

製品を語る上で欠かせない3要素ですね。

 

「高級バッグ」だとどうなりますか?

『核』は満足感でしょうか、達成感でしょうか、

『実体』は○○の革で出来たカバン

『付随機能』は丁寧な接客応対やアフターサービスですかね。

 

「スタバのコーヒー」だとどうでしょう?

『核』リラックス?すっきりとした爽快感?

『実体』黒い液体

『付随機能』リラックスするための空間、気の利いた声かけなど

 

ここまでがマーケティングの本などで記載されていることですが、私はこれだけでは未完成と考えています。

マーケティングのセミナーや本ではここまでは学べますが、実際に実践に置き換えた場合、さらに奥まで考えるべきでしょう。その時に大事なポイントがこれです。

 

商品によっては、人により考えている『核』が変わり、それにより『付随機能』も変わりながら、『実体』だけは変わらないということです。

 

例えば、ベンツ日本法人の上野社長は著書の『なぜ、メルセデス・ベンツは選らばれるのか?』の中で、「ベンツは鉄の塊(実体)を売っているのでない、スタイル(核)を売っている」と言っています。

これは間違いではないでしょうが、企業によっては企業都合の『核』や『不随機能』を決めつけている場合があります。

例えば、スタバのアイスコーヒーに「すぐ出してくれるスピード」(核)を求めて、店員さんが機械で入れて次の人のレジ打ちをしながら用意してくれるローソンでは買わないようにしているとします(私です)

そのときにスタバの店員さんが「お客さまの核はリラックスだからコミュニケーションを取ってあげよう!」(付随機能)とします。

スタバの教育はしっかりしているから急いでいるそぶりをすると即座に対応してくれますが、もし、お客さまが求めている「核」と違うものを店員さんが考えていればお客様は「次回はドトールにいくか。」となるかもしれませんね。

 

さて、例えば英会話はどうでしょうか?

 

『実体』は授業ですが、『核』はなんでしょうか?「英語が話せる未来」もあれば「英検合格」それ以外も沢山ありますね。

実は、車のショールームや店舗型のアパレル、習い事などにおける営業は時間が取れるため核に対して柔軟に対応できます。個別にしっかりカウンセリングが出来ていれば、例のように『付随機能』で失敗をすることはありません。

 

冒頭にも述べましたが、「価値を売っているのであって製品や商品そのものを売っているわけではない」という考えはサービス業を中心に浸透してきています。

しかし、その価値が顧客によってさまざまであるという考えを持っている人はあまりいません。それは会社単位ではなく、商品を取り扱うサービス業でエンドユーザーと関わる人のみが直に聞き取り、感じられるからです。

 

お客さまが常連となり、いわゆる「顧客さま」と呼べるようになった段階でも気をつけないといけないことがあります。それは生活のステージや環境の変化によって求めている価値の移り変わりがあるということです。慣れてくると顧客さまのことを分かった気になってしまいますが、気をつけなければなりません。

これが出来ると「お客さま→顧客さま→“個”客さま」の図式は成り立ちます。

こういった変化に対応できる様々なスキルは非常に重要なことから、サービス業で接客するということは上質な仕事だと気づくと思います。

そして、求めているものをコミュニケーションして感じることは、対お客さまだけでなく、対スタッフにも役立ちます。

上質なスキルを身につけて成長しながら、まずは、皆さんのビジネスの「個客さま」にとってサービスを受けていただている「今の」価値は何か知るようにしましょう!

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